「原子力災害からの福島復興指針改定・2年で避難解除とその1年後の除賠償打ち切り」「営業損害賠償は一括支払いで打ち切り」は見直し求める・共産党代表質問

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18日、日本共産党を代表して質問をしました。国が6月12日「原子力災害からの福島復興指針改定版」を出しましたが、実態を見ないで2年間で区域見直しとその後1年で賠償打ち切りをするのは問題で、国に見直すよう知事に求めました。

復興指針改訂版の内容は、帰還困難区域以外の居住制限・避難指示解除準備区域の避難指示を2017年3月までに解除し、この区域の住民の精神的賠償は解除後1年で打ち切る。すでに解除されている田村市都路地区・川内村の旧避難指示解除準備区域も対象に加えて同じ扱いに、というものです。営業損害賠償は2017年3月分までの分を一括払いにして打ち切る。

国の見直しに先立って、さる6月7日に、206団体・162人が集まった「オール福島」の「県原子力損害対策協議会全体会」では、①深刻な福島の実態を見ない②旧緊急時避難準備区域を置き去りにした賠償③事故収束を東電任せにするという声が出され、何よりも、実態を見ないで終期を決めることが問題という共通意見でした。

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写真は、代表質問

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写真は、傍聴に見えた皆さんと

【以下 代表質問の原稿を掲載します】

宮川えみ子です。日本共産党を代表して質問いたします。

一、 はじめに、集団的自衛権を行使するための安保法制・戦争法についてです
戦後長きにわたり、自民党政権自身が現憲法のもとでは行使できないとしてきた集団的自衛権行使を前提とした法案を、安倍政権は国会に提出しました。
国会の論議が進むにつれ、この戦争法案とその推進勢力がもつ深刻な問題点と危険性が鮮明になってきました。

第一に、自民・公明両党が、自らが推薦した憲法学者からも憲法違反と断定されたように、憲法をじゅうりんする違憲立法だということです。
第二に、この法案を推進している勢力が、異常な対米従属を特徴としていることです。だいたい日本政府は、戦後、アメリカが国連憲章と国際法をじゅうりんして実行した数多くの先制攻撃の戦争に、一度も反対したことはありません。しかもベトナム戦争やイラク戦争を支持し協力したことを検証し反省する立場もまったくないのが安倍政権です。無法を無法と言えず、アメリカによる無法な戦争に参戦することが、集団的自衛権のいちばんの現実的危険です。
第三に、過去の日本の戦争を「間違った戦争」と言えない政権が、戦争法案を推進する危険です。戦後の国際秩序は日・独・伊3国の戦争は侵略戦争という判定の上に成り立っています。その戦争への反省もない勢力が推進する戦争法がアジアと世界にとって危険きわまりないことは明白です。

福島県上空には3つのオスプレイ飛行ルートがあり、沖縄、横須賀・佐賀の配備だけでなく福島県も含め全土基地化も進むことになります。政府はアメリカから17機のオスプレイを購入しますが、軍事費の拡大は復興予算や社会保障の削減にもつながり県民を苦しめることになります。
県民の暮らしと安全、復興に重大な影響を及ぼす「戦争法案」です。
安全保障関連法案の撤回・廃案を国に求めるべきと思いますが知事の考えを尋ねます。

次に、
二、漏れた年金情報問題とマイナンバー制度の中止を国に求めることについてです。
公的年金の個人情報大量流出事件・漏れた年金情報問題について、県民から心配の声が上がっています。生きていくのにただひとつの寄りどころの年金なのに、あまりにもずさん、しっかり取り組んでほしいとの声です。

年金事業を下請け化し、個人情報125万件の大量流出を引き起こし、さらに拡大しかねない状況にあることから国と関係機関はもちろんのこと、県も市町村と協力し合いながら県民の不安を取り除き実質的な被害を引き起こさないようにすることです。これらのことを踏まえて、
1、県警察における高齢者の詐欺被害防止対策についてうかがいます。

今年10月より12桁の番号を国民に割り振る、いわゆるマイナンバー制は今回の事件でことの重大性がより明らかになりました。年金制度が「民と管」との間での問題なのに対し、マイナンバー制度はさらに勤務先の事業所に医療情報・銀行の預金情報など個人番号を伝えることになるので「民と民と官」になり、第三者が容易に番号を知ることができ個人情報の駄々漏れが起きる危険性は年金の比ではありません。
12月定例議会でも指摘したように、
2、マイナンバー制度の中止・見直しを国に求めるべきですが県の考えを伺います。

次に、
三、国の電源構成案と福島第二原発の廃炉についてです。
国の「エネルギー基本計画」に基づき2030年の電源構成比率は、原発比率を20~22%にするとし、原発は事故前と同様規模で使うという案です。

再生可能自然エネルギー買取り制度は2012年7月に導入され太陽光普及は2年半で4倍になりましたが、風力・小水力・バイオ・地熱がほとんど増えていません。制度に問題があるのです。日本では太陽光と風力を足して年間電力の2%に過ぎない段階で抑制しているのですが、デンマーク・ポルトガルでは風力は30%を導入しています。

福島原発事故でこれほどの被害を受け続けている日本が何も学ばず、ドイツを始め世界が日本の原発事故を学び再生可能エネルギーに舵を切り飛躍的に進めている時に、原発や石炭の比率を高めることは世界の流れと逆行しています。

福島原発事故から4年以上たっても事故原発に近づくことも収束の見通しも立たず、汚染水の管理もできず、避難者も11万人を越えている中、県民の気持ちを逆なでする異常な計画です。しかもコスト面から見ても核廃棄物の処分費用も計算に入れず、原発は発電コストが「低廉で安定的」と勝手に位置付けていますが、重大な事故を引き起こしたらどれほどの時間と費用がかかるかわからないのです。

1、 原発被害を受け続けている県民の、また、再生可能エネルギー先駆けの地を目指す福島県として、
原発の再稼動を前提とした国の電源構成案に反対すべきと思いますが、県の考えを伺います。

全国の原発は、事故前と比べると11基が廃炉決定し現在43基です。現時点で再稼動申請
しているすべての原発を動かしても10数%にしかなりませんから、老朽原発の運転延長
をはじめ、新増設、福島第二原発の再稼動も視野に入れているのではないでしょうか。

2、「国の電源構成比率」を決めようとしている時だからこそ、
福島第二原発の廃炉を国に強く求めるべきと思いますが県の考えを伺います。

次に、
四、原子力災害からの福島復興指針の改定についてです。
自民・公明の与党が5月29日に出した「第5次提言」のもとで、さる6月7日に162人の参加で開かれた、「オール福島」の県原子力損害対策協議会全体会では国と東京電力に対し、①深刻な福島の実態を顧みない、②旧緊急時避難準備区域を置き去りにした賠償で新たな分断を持ち込む、③福島第一原発の事故収束を完全に東電任せにするなどの厳しい意見が相次ぎました。実態を見ないで終期を決めることは大問題という意見が共通でした。

ところが国は原発被害を受けた「オール福島」の声をほとんど反映させないまま、与党提言を受けて、今月12日に、「原子力災害からの福島復興の加速化に向けて」の改定・福島復興指針の改定版を閣議決定しました。これは、帰還困難区域以外の居住制限、避難指示解除準備の両区域の避難指示を2017年3月までに解除し、この地区の住民の精神的賠償は解除1年後で打ち切り、すでに解除されている田村市都路地区・川内村の旧避難指示解除準備区域も対象には加えたものの同じ扱いという内容です。
営業損害賠償についても、一年延ばしにするものの、これも2016年度分まで一括で支払い、その後は打ち切りという内容です。

今回の与党の第5次提言とそれに基づく政府の福島復興指針の改定は、東京オリンピックを誘致するための「汚染水は完全にブロックされている」などの首相発言の延長線にあるもので国の都合で事実を曲げる、原発再稼動や海外輸出のためにいつまでも福島原発事故を引きずっていたくない、大事故を起こしても5~6年で収束する、事故処理費用もできるだけ小さく見せたいという政府の思惑があるからでしょう。
県民の置かれている実態を見れば、後2~3年で打ち切る状況に無いことは明らかです。福島県民の真の復興を目指すなら実態を見て「一人ひとりに寄り添った人間の復興」のために必要な施策を行うべきです。福島切捨てを許さず、県民一体となって国にはっきりとものを言うことが今求められています。
まず、国の福島復興指針改定に対する知事の認識を伺います。

次に、
1、 福島第一原発汚染水問題等についてです。
日本共産党国会議員団・県議団・原発県連は、5月18日に第一原発を視察しました。4年2ヶ月たっての構内は整理され落ち着いてきているように見えますが、フランジ型のタンク群が目に付き接続部のゴムパッキンは(耐用年数は5年)どうなっているのか、仮設ホースもあり、海側堤防は石積の仮設のままでした。また、人の出入りが多い免震重要棟入り口付近が毎時13.9μシーベルトと高く労働者の健康管理はどうなっているのかなど、さまざまな課題があることを実感しました。

東電は5月27日、福島第一原発のタンク群にためていた高濃度汚染水60万トンの全量処理が終わったと発表しましたが、18万トンは再浄化が必要ですし、トリチウムは残っており、原子炉建屋に流入する地下水は高濃度汚染水となって一日当たり300t増え続けています。汚染水問題等について以下質問します。

ア、 5月29日に港湾内3箇所で採取した海水の全ベーターが過去最高値を更新した問題は、移送中のビニールホースに穴が開き、漏れた高濃度の汚染水が排水路を通じて海に流出したことが原因とのことですが、
汚染水の移送管が仮設のまま放置されていた理由を尋ねます。

イ、 3月21日には、5・6号機西側の道路わきの土手の枯れ草が燃える火災が起きていますが、火災の広がりは重大な事態になりかねません。
道路わきの土手の火災について、原因と対策、自衛消防隊の到着に時間がかかった理由についてお尋ねします。

ウ、 ナンバープレートのない車が構内を走行していましたが、
発電所で構内作業に当たる車両の点検・整備についてどのように行っているのか尋ねます。

エ、 初歩的なことが改善されていない重大な問題があります。見落としがないよう
これまで東電に対し申し入れた事項について、点検をする必要があると思いますが県の考えを伺います。

オ、 頻繁(ひんぱん)な汚染水漏れ、死亡事故が続き、火災も連続してありました。いったい国は何をやっているのかと批判の声が上がっています。作業も増え施設も膨大になり、作業員も7000人が働いているといいますが、「国が前面に立つ」を言葉だけにせず、それに見合った対応が必要です。
汚染水問題等の解決に向け、原子力規制庁と資源エネルギー庁の職員増員を含め現地体制の強化を国に求め、国が前面にたつよう求めるべきですが県の考えを伺います。

次は、
2、避難指示解除についてです。
政府の指針改定では、帰還困難区域を除き2017年3月までに避難指示を解除し、住民の帰還可能に、と言っていますが、従来政府が解除の条件としてきた(2011年12月国の原子力災害対策本部・避難指示の概念ができた時)○年間被ばく積算線量が20ミリシーベルト以下が確実であること、○電気・ガス・上下水道・主要交通網・通信など日常生活に必要なインフラや介護・郵便などの生活関連サービスの復旧、子どもの生活環境を中心とする除染の十分な進捗、○県・市町村・住民との十分な協議と意見を聞くというこという3つの条件が果たして2~3年で満たされるのでしょうか。

該当自治体の首長も期限を切っての解除は問題だと述べています。
県は2017年3月までに、帰還困難区域以外の区域の避難指示解除が可能と考えているのか伺います。

次に、
3、原子力損害賠償についてです。
国が昨年12月末に営業損害賠償を打ち切る「素案」を突然打ち出したことに、業界団体をはじめ県民から批判・抗議が殺到し、「素案」はいったん撤回に追い込まれました。さる6月7日の県原子力損害対策協議会全体会では、与党の第5次提言も出された中での開催で、さまざまな意見が相次ぎましたが、避難指示区域を抱えた8町の首長さんが現状や要望をのべたうえで2年間の集中的な自立支援での事業再開は難しいと発言しています。

福島県労連の斉藤議長は、福島県民の実態や原発事故の特性を見ていない、帰還困難区域以外を2017年3月までに解除しそれを前提に組み立てることはあまりにも強引だと発言しました。また、旅館ホテル組合の代表は、組合員が減っていることや、風評と原発事故は因果関係があり努力して客を呼び込んでも汚染水事故などが起こるたびに影響を受け続けていると述べています。

営業損害については、2016年度までの一律賠償打ち切りは大問題、とても認められないと損対協では多くの意見が出たように、
原子力事故による商工業等に係わる営業損害の賠償について、終期を決められる状況には無いと思いますが県の考えを伺います。

次に、
4、「自主避難者」への住宅無償提供の継続についてです。
15日に知事は「自主避難者」への住宅無償提供を2017年3月で打ち切ると表明しました。国からの打ち切りを求められたといいます。
自主避難者は、県内は約5000人・県外は約2万人と推計されていますが、6月6日に山形県労連などか開いた米沢市山形避難者相談会では、山林の除染が進まず不安だなどの声が出されたように、安心して帰られるような条件整備こそ先ではないでしょうか。
全国各地の「自主避難者」の皆さんが住宅の無償化継続を求めて国や県に陳情しています。
「自主避難者」への借り上げ住宅の無償提供は2017年4月以降も継続すべきと思いますが県の考えを伺います。

次に、
5、中間貯蔵施設についてです
共産党県議団は地権者の皆さんと懇談を重ねてきました。地権者の皆さんは、国は原発は安全と推進してきた責任があるにもかかわらず、その立場に立っていない、私たちがなぜ家族と分断され慣れ親しんだ故郷を追われなければならないのかという気持ちを理解していないといいます。しかし、苦しみながらも、皆さんの多くは施設の必要性を十分認めています。
事故を起こした加害者責任は国にあるのですから、
ア、 国に対し、地権者に寄り添った話し合いが進む体制作りを求めるべきですが県の
考えを尋ねます。

国は担当職員を40人から60人に体制強化したと言いますが、地権者約2400人の状況からすればまったく不十分です。
イ、 地権者との交渉を進めるためには、担当職員の大幅増員を国に求めるべきですが
県の考えを伺います。
次に、
 6、復興財源の確保についてです。
福島県の場合、原発事故でスタートラインに立つこともできない多くの避難者がいて、
県民・自治体がすべてが被災者という認識に立ち、
避難者支援など特に一人ひとりの人間の復興に係わる事業を始め、福島復興事業につい
ては、国が全額負担すべきと考えますが県の対応について伺います。

次に、
五、介護問題についてです。
介護保険が導入されてから16年目を迎えましたが、当初言われていた介護の社会化が達成されるどころか、家族介護者の負担は依然として重く、全国を見れば、2004年以降、年間10万人以上の人が、親族の介護を理由に離職し、介護を苦にした心中・殺人事件は、2006年以降、毎年50件以上起きていて、しかもこれは氷山の一角にすぎないという指摘です。

今回の震災でその矛盾が噴き出したように、原発事故被災と避難生活によって、介護が必要になる高齢者がふえた被災市町村ほど保険料ははねあがりました。
また、サービス利用の1割負担、支給限度額を超えるサービスは全額自己負担のため、低所得者ほど介護保険は使えず家族介護への依存が高まっています。
福島県内においては、介護認定を受けたのは65歳以上の2割に満たず、認定されてサービスを受けるのはその8割程度で、限度額まで使わない・使えない人が少なくありません。

こうしたなかで昨年度、県は第6次介護保険事業支援計画を決定しましたが、この計画が要介護者や家族の要望にこたえられるものになっているかが問われています。
ア、 入所待ち解消問題ですが、特別養護老人ホーム入所希望数と第6次福島県介護保険事業支援計画での定員数について尋ねます。
イ、特別養護老人ホームの入所希望者の待機解消に向けてどのように取り組んでいくのか県の考えを尋ねます。
2、今年4月から福島県の各被災自治体が、月額7000~8000円台と全国的にも高い保険料となりました。
低所得者・低年金者が介護施設や居宅サービスを利用しやすくなるよう、介護費用の軽減を図るべきと思いますが県の考えを尋ねます。

次に、
六、子育て支援・子どもの貧困対策についてです。
安倍政権は「子育て支援」「女性の活躍」を上げながら、国や自治体の公的支援を後退させる「子ども子育て支援新制度」が4月から実施されています。市町村も膨大な資料に忙殺され、保護者も保育料や運営はどうなるのか心配しています。「待機児解消」をうたった新制度ですが県内都市部を中心に自治体によっては昨年を上回る待機児が出ています。
1、作成された支援事業・支援計画ですが、市町村計画を積み上げたものとのことですが、待機児童が多い3歳未満児で見ると福島市で434人・郡山市で1676人分が不足しています。現に5月段階の福島市では530人の待機児童です。
地域の保育ニーズを満たすことができるよう支援策を講じるべきですが県の考えを尋ねます。

2、 認可保育所に入所できなければ所得に係わらず、一律の保育料を収めて認可外保育所に入所させなければなりません。3歳以上児も補助対象にし、支援を強めるべきです。
認可外保育所も含め、さらに保育料が軽減されるよう市町村を支援すべきと思いますが県の考えを尋ねます。

次に学校給食費無償化についてです。
3、 非正規雇用の広がりや、一人親家庭の増大など経済的に困難な家庭が増え続けています。厚労省の調査では子どもの貧困率は16.3%で実に6人に一人が貧困です。
加えて福島県は、大震災や原発事故の被害をうけ子育世帯の負担は大変なものがありますが、県は18歳以下の医療費無料化の継続や各種の施策を進めてきて、県内の合計特殊出生率は1・58と2年連続して上昇しています。
県内の子育ても落ち着きを取り戻しつつありますが、さらに「日本一安心して子どもを生み育て安い環境づくり」を目指すことを求めるものです。
昨年の12月定例議会に続き、今議会でも給食費の無料化を求める請願があがっていますが、
公立学校における学校給食費については、無償化すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。

4、 高校生を対象とした給付型奨学金制度を創設すべきと思いますが県教育委員会の考えを尋ねます。

5、 またその間は、貸付制度ではありますが、震災特例奨学金を県内全高校生が受けられるように、制度を拡充すべきと思いますが県教育委員会の考えを尋ねます。

6、自主避難している児童生徒に対し、被災児童生徒等就学支援事業が適用になるよう支援をすべきですが県の考えを伺います。

7、マタニティハラスメントについてです
少子化対策が叫ばれている中、子どもを産んで働くことの困難さは改善されていません。生活ができないから、今の仕事を失いたくないからと妊娠をあきらめたり、子どもは一人だけという声も多く、ある産婦人科の医師は、このままでは出産を決意することさえ困難な方が多くなると訴えています。

さる5月29日の福島労働局の発表によりますと、妊娠や育児休業などに関する不利益取り扱い・マタニティハラスメントに関する相談が、昨年比14件増え51件にのぼることが明らかになりました。体調不良なのに休むと失業するかもしれない、派遣なのでとても子どもを生んで働ける環境に無いなど深刻です。
企業に指導を求めることや労働環境の改善につながる問題でもあるので、働く人の権利意識の啓発なども必要です。
厚生労働省は、是正勧告に従わない悪質企業は企業名を公表など指導を徹底する方針を決め全国の労働局に指示したとのことです。
ア、マタニティハラスメント防止に向けて、県はどのような取り組みを行っているのか尋ねます。

イ、 マタニティハラスメントの実態を把握すべきと思いますが県の考えを尋ねます。

次は、
七、TPP・米価・イノシシ対策についてです。
1、まず、TPP問題ですが、
5月30日、JA新ふくしま主催でTPP参加反対の決起集会が開かれ1300人が参加しました。また、21日には、地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会主催の大規模集会が予定されています。TPP交渉で、日米両政府はこの夏に合意することを狙っていますが全国いっせいに国が国会決議を守れとの動きが強まっています。こうした中で、アメリカはさらに21万トンものコメの特別輸入枠を迫っています。国会決議では日本でわずかに残る高関税のコメ・麦・牛肉・豚・乳製品・砂糖の5項目を聖域として対象外にとしていましたが、安倍首相はこの決議を無視し続けています。

わが国の農業に多大な影響を及ぼすTPP交渉からの撤退を改めて国に求めるべき
ですが県の考えを尋ねます。

2、次に米価下落対策についてですが、
原発事故の風評被害を受けている福島県産米の再生産のために、米価下落対策が必要と思いますが県の考えを尋ねます。

3、イノシシ対策についてですが、
この20年間でイノシシの被害が増え続け、原発事故後は肉を食べることができなくなり、狩猟者の意欲も減退するなど、急速に深刻さが増しています。田畑などの被害に加え子どもやお年寄りなども危険にさらされ、高速道路の事故やいわき市では国宝白水阿弥陀堂庭園まで荒らされるなど一刻も放置できない状況です。
「福島県イノシシ管理計画」を今年度からスタートさせ、5年間で十文の一に減らす計画が作られましたが、実効ある対策が求められます。
岐阜県は知事が本部長となり、「猪鹿鳥無猿隊」を作り成果を上げています。
ア、 イノシシの管理について、推進体制を強化して取り組むべきと思いますが県の考
えを尋ねます。
イ、 また、県はイノシシ管理計画の目標達成するため、捕獲にどのように取り組む
のか尋ねます。

最後に、
八、廃炉関連産業にかかわる地元企業育成についてです。
JAEAが廃炉の研究施設を作るための試験研究施設を作っていますが、精密機械加工など高度な技術を持った地元業者はたくさんいるがプレゼンテーションの機会も無いと浜通りの首長さんからの話でした。本格的なことはこれからと思いますが、
県は、被災地をはじめとした県内企業がロボット開発などで廃炉関連産業に参入できるよう、どのように支援するのか尋ねます。
以上

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