穏やかな中山間地域に分断を持ち込む「遠野町三大明神風力発電計画」中止を求める要望

12日、いわき市遠野地区の皆さんが「いわき市遠野町三大明神風力発電建設の撤回を求める」申し入れを行いました。今回で5回目です。<内容は>1. 区長名の同意文書が有っても住民の多くは本風力発電計画に断固反対であることから 三大明神風力発電事業計画の事業認定を取り消すこと。
2. 土砂災害の危険を増し水利用を中心とした生活環境に影響を及ぼす保安林の解除は決し て行わないこと。です。今回は、事業者が地元区に介入して、地域住民と区長との間を分断したものたに対しての申し入れです。住民の知らないうちに区長は事業者に同意を与えたというもので、住民の有志がこれでは大変だという事で、署名を集めなおし持参したものです。署名は、下根本地区100世帯のうち80世帯・205人です。三大明神風力発電の鉄塔が作られるところは、国土交通省のハザードマップ・土砂災害危険渓流に指定されています。指定地域に居住しているTさんは、毎日山に入っていて良くわかるが、土砂や岩が大雨のたびに落ちてくるようなもろい土質で、大災害になった広島の土質と同じ、絶対いじってほしくないといいます。また、普段水がなくても雨で一挙に水が出るとも言います。要望に対して県は、直接は難しい、地元の理解の元に進められるべきと議会でも答弁している、国もガイドラインまで作って地元の理解と言っていると答えました。ここは、この前の台風の時も土砂災害警報が出されています。この程度の雨で警戒警報4になっています。三大明神風力発電事業に対する根本地区の住民要望2019-9-12修正 遠野地区土石流危険個所図190725

遠野風電とハザードマップ容量小根本貞治1

遠野地区土石流危険個所図190725遠野風電とハザードマップ容量小三大明神風力発電事業に対する根本地区の住民要望2019-9-12修正根本貞治1

事前に見に来た大手建設会社の担当者は、案内したTさんが「土石流が出ませんか?」と質問したところ全く否定はしなかったといいます。

私は、今回の台風で鉄塔まで倒壊したのを見て、最近の風雨は温暖化の影響とみられ、これまでの常識とは違うという事を国も県も事業者も再認識すべきと思います。(2019・9・9台風15号、千葉市最大瞬間風速57、5M)(アメリカハリケーン・風速82M)。また共産党が再三にわたって県に対し、風力発電等建設に対してルールを作るように求めているにもかかわらず、これを行わないことが、住民を分断させ、事業者も無駄な費用を多額に費やすことになると強く思っています。県は今からでもルールを作るべきです。

穏やかな中山間地域に分断を持ち込む「遠野町三大明神風力発電計画」中止を求める要望」への1件のフィードバック

  1. ルールを作るのは知事部局ではなく、議会の役割だと思いますが、いかがでしょうか。そのために、各政党は政策集団をお持ちの筈。それこそ、派閥を越えて議論を深め、協力して実現していただきたいです。だいたい、R.マートンは、官僚制は規範に過剰同調することで「訓練された無能力」に陥りやすいと批判しています。こうしたことを知事部局に期待することは、実現性の観点から妥当とは思われません。特に保守性向の強いような地方の役所は、力の強い事業者からの批判を受けることを恐れ、組織の論理や既成法令を口実に一般からの苦情に答えない性向の強いところ。知事部局はよほどのことがない限りどうしても受動的なので、能動的な行動を期待するのは難しいのではないでしょうか。まして、大規模事業を推進しようとする事業者は、既に許認可権者である国の主務省庁から認可がもらえるよう、あらかじめ当該省庁と相談した上で当該計画の具体的な内容を策定していますから、地方自治体次元でその計画の不合理性を認めることは困難です。それだから、当然、知事部局が当該事業者の計画を推進する動きに足枷を加えるようなことをするのは消極的になる訳です。だから、ここで言われているようなルールを本当に作ろうとされるなら、現実的には、これまでにない視点で、新たな基準の案を作り、県議会で立法化するしかありません。以前、ゾーニングにこだわっていらっしゃいましたけど、御存知のように、このところ福島県内の山稜上では、また多くの大規模風力電源開発計画の立地が続き、大規模太陽光電源開発を含めて、めぼしい浜通りと中通りの山稜上でこうした発電所そのものや計画がないところは、ほとんどなくなりました(那須連山等で立地していないところは、重要な猛禽類の生息地となっているため、有力学識者等の反対で立地が進められないと聴いたことがあります。)から、ゾーニングもへったくれもなくなってしまっています。これらの計画が本当に全て完成するようなことにでもなれば、浜通りと中通りの山稜上はどこもかしこも人工物だらけになりますから、福島県の自然景観は完全に台無しです。問題は、むしろこのようなことになっているという現状認識が、福島県内で一般に広がっていないということです。他県と比べても、実は福島県の山稜上には既に高圧電線等の鉄塔が多く(福島県内には発電所が多く立地しているためです。)、完全な自然の山並みがあまり多くは残っていません。自然な山並みの続く風景は、わたくしは観光資源としてだけでなく郷土を特徴づける後世に伝えるべき資源として大切なものだと思いますので、どうしてもそのようなものを立てる場合には、尾根線からやや下がったところに建てるなどの工夫も必要のように思います(山並みのあちこちに人工物が見えるか否かは、結構景色の美しさに影響するものです。)。この点、日本共産党福島県議団のみなさまには、他県の事例を視察されてみてはどうかと思います。他方、鉄塔の倒壊の問題は、三大明神山の問題とは直接関係がないのではないでしょうか。わたくしたちはどうしても普段本当に電気に頼って生活していますから、鉄塔があくまでも危険だとしたら、現状にまかせて電気を安穏と使っていたことを根本的に考え直さなければなりません。そもそも、架空の幹線の高圧送電線は、関係法令に基づいて、原則として人里離れた僻地に設置するしかない実情があります。このため、今回の房総半島での台風による大規模被災では、故障現場へのアプローチが難しくなり、復旧作業が難しいことを実感させられた感じです。ですので、今後、高圧電線等は、保守のし易い主要国道の地下に共同溝を作って移設する等の対策が必要になりそうですし、(仮称)三大明神風力発電事業の系統連系線については、地下埋設にするのは技術的にさほど難しくないと思います。地元ということで特定の事案にだけこだわるのは分からなくはありませんが、ただ、このままそこだけにこだわり続けていては、議論は広がらず、何もルール化へ向けて前進しないと思います。

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