原発労働者の詩

原発この労働者の詩

歌は浜岡原発の下請け会社で働いていて後に白血病で亡くなられた嶋橋伸之さんの話を元に作りました。この方の母親が訴えたことで、原発労働の苛酷さが初めて世に出るようになりました。

原発労働のブルース

俺は高校を出て地元で職を得たんだ   原子炉内部の保守点検を請け負う会社だ 軍手の上から2重のゴムテ3重の厚手の靴下はいて  停まったばかりの 灼熱の 原子炉の下に潜り込む  原発労働 被曝を強要

全部で58本もある中性子計測装置  そいつを外しパーツをチェックするんだ原子炉内の中性子を制御するための心臓部だ  責任ある重要な仕事だとおだてられて

原発労働 被曝を強要 孝行息子がしたくてローンを組んで建てた家 カギをもらったその日の玄関先でぶっ倒れ  目が覚めたのは市内の大きな総合病院のベッドの上 担当医は渋い顔で骨髄性白血病と告げた  わけ知り顔の弁護士が誓約書を差し出す  この金で手を打てば誰も傷つかない  見舞金を受け取ってひっそりと死を待てってことかい? 労災認定なんてバカな事考えるんじゃないと  原発労働  被曝を強要

見舞客の足はすっかり遠のいて  同僚なんて一回こっきりそろって来ただけ   あらゆる化学療法が試された  半身不随になって視界も閉ざされた       衰弱する俺の手を握ってくれるのは母親だけ 薄れて行く意識の中カタキは必ず取ってやると  管理外区域のエリート社員が テレビのCMに出ているよ  ヘルメットと保護メガネの 軽装備で計器をチェックする誰も放射能で死んだ事実はどこにもないと自信たっぷりに言い放った

俺たちは死ぬ前に使い捨てになっているのさ  原発労働 被曝を強要 原発労働  差別の労働

 

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