福島県は脱原発の先頭に
岸田首相は8月 24 日、原発再稼働をこれまでの 10 基に加え、 7 基を追加、運転期間も法律 で原則 40 年としていたものを 60 年まで認め、さらに延長を検討しています。また、これまでは想定していないとしてきた新 増設も検討すると言及し、原発回帰に大きく舵を切りました。 国は、電力不足を口実にしますが、専門家は実際の電力不足は、年間 8,760 時間の うち20 ないし 30 時間に過ぎず、わずかな不足のためにリスクが大きい原発に依存 すべきではなく、電力の大量使用者に協力を求めるなど、本気で検討すればいくらでも方法はあるはずと指摘しています。
さる6月定例県議会での宮本議員の原発再稼働についての質問に対し、原子力に依存しない社会づくりを 復興の基本理念に掲げているとは言うものの、「原子力政策は国において検討されるべきもの」として、他県の原発については何も言いません。今度の県知事選挙でも国に対して県民の立場でものを言うべきと批判が出ましたが、最も重要な原発問題でも国に対し一言も言えないとは、その姿勢が問われます。
原発事故から 11 年9カ月、あの事故でどれだけ多くの命が奪われ、住む場所も生業 も奪われ、人生まで大きく変えさせられたこの苦しみと怒りは、今も続いています。知事が認めたように、福島原発事故は国・東京電力が起こした「人災」です。 原発事故の避難者への支援などについて、国が責任を持って長期にわたり継続するとともに、原発に頼らない国づくりを進める事こそ、原発被害を受けた福島県の役割です。
福島原発事故は、今から11年前の2011年3月11日の大地震・大津波によって引き起こされました。その直後の6月定例県議会の自民党の代表質問では40年以上安全神話を信じて推進してきた、深く反省し今後一切推進しないと決定した」と反省の念を述べました。また、その後、原子力発電関係道県議会議長協議会代表として、当時の議長だった佐藤憲保氏は、日本共産党の志位委員長らに要請した時「原発に協力してきた大きな責任がある・・今後の対応に大きな責任を背負っている」と述べ「日本共産党の宮川えみ子議員がエネルギー政策議員協議会で、地震・津波対策がとられていないと指摘していたが、(宮川さんの)指摘をもっと真剣に受け止めて問題にしておけばこうならなかったかな」と言っていました。原発推進だった民主党議員(当時)も議会では「安全神話を検証することなく推進してきたことは万死に値する・・脱原発を推進することで福島のみなさんに償う」と発言しました。
汚染水問題はもちろん、事故原発の収束も見えず、地震のたびに県民を不安に陥れ、使用済み燃料の処分もできず、いまだ避難を強いられている多くの避難者の支援も切り捨てている現実を見れば、県議会も原発推進の国に対し、一致して原発の再稼働・推進の中止を求めるべきです。