7月3日に、いわき市入遠野公民館で遠野風力発電事業者の説明会があったが、会場入り口に写真のような張り紙があったおかしいと、説明会参加住民から連絡がありました。寄せられた意見は次のようなものです。昨日の住民説明会で公民館に入るなり、写真にあるような張り紙があった、住民のための公共施設で、一事業者が公開の場の住民説明会でこんなことが許されるでしょうか?というのです。
県の環境共生課とエネルギー課に聞きましたら、改正ガイドラインにそって広く周知は当然で、マスコミ締め出しはおかしいと思う、県としては権限はないが事業者に話したいといいました。
説明会は50~60人位が来て、何でこんなに危ないところに作るのか、場所が問題、(前計画より)余計に集中してしまっている、何より水・土砂災害・騒音が心配などの意見が多くの方から出されたとのことでした。事業者の資格が問われます。
「マスコミが入ったから説明会中止」かと思ったら、今度は「録音・撮影禁止」ですか!住民の意見に十分耳を傾けようという姿勢が全く見られない態度に、ただただビックリです。
takkyさんへ
コメントありがとうございました
「マスコミ締め出しはおかしいと思う」等と、本当に県の当局は言ったのでしょうか。わたくしはそんなことは言うはずはないと思います。
そもそも、わたくしがこちらに前回メールしたときにメールアドレスは公開されることはないというところでコメントしたのに、公開したこちら様の御対応はどうなのでしょうか?
何某会のフェイスブックや別の県会議員さまのブログの記載を読む限り、当該説明会の円滑な進行を妨害するためあるいは自分たちの反対パフォーマンスを誇示するために一部の反対活動家の方がマスコミを招いたようにしか読めず、そうであれば、事業者側が当該説明会の目的等を勘案して、混乱を避けるためマスコミ参入を断ったのは仕方がなかったと思われますし、同フェイスブックに拠りますと風力発電所が立地することを期待している立場の方々もおられるそうで(それにしても、同フェイスブックのあまりに攻撃的な物言いには誰もが腰が引けてしまうのは仕方がないように感じます。)、そちらの方々の言論が不合理に圧迫されているように見えますけど、どうなんでしょうか。私は、こうした方法書説明会では、どのような調査、予測及び評価をすべきか、当該事業への賛否に関係なく、誰もが忌憚なく事業者からの説明を受けて意見表明ができることが一番大切だと考えています(もっとも、環境影響評価法に規定された方法書説明会の開催の目的は、方法書の内容の周知です。)。それが民主主義社会で一番大切なことで、こちらでは風力事業への反対が初めから善として考えられており、反対活動なら何をしても許され、それ以外の考え方は排斥して良いというようにしか読めません。それでいいのでしょうか。通例マスコミがいると分かっただけで自由な意見表明がしづらくなる等のいわゆる「委縮効果」が生じることが考えられる以上、政治家という極めて重い立場の方が、法的根拠(ガイドラインには、マスコミを使って周知すべきとは書かれておらず、環境影響評価制度が事業者のセルフコントロールに任される制度設計であることから、どのように周知されるかは、事業者の自由裁量に任されています。無論、関係地域住民様への十分な配慮を加えた上、事業者が最善の方法を自主的に決めて実施することが必要だと考えられますが、方法書説明会は環境影響評価の仕方を題材にするため(事業者が自主的に環境への配慮計画の検討を進めるために参考にするため)、中立公平に開かれることが求められる性格のものではないし、そもそもマスコミ特に民間のテレビ局等は、特定の主義を掲げており、中立公平な存在ではないのではないでしょうか。)もなく一事業者が主催する方法書説明会へのマスコミ取材の義務付けを求めるかの言い方はどうなのでしょうか。
何れにしても、事業の賛否の問題は環境影響評価とは無関係なので、そのことについては事業者側と折衝を要望される方々が別の機会を設けて折衝が行われるべきです(そこは、誰からでもそうした要望があるなら、社会的存在として、事業者はきちんとそのようなための場を設けて、関係の方々としっかり交渉しなければならないと考えます。また、その場にマスコミを参入させたいならば、当事者が合意してそうすれば良いと思います。他方、方法書説明会では、参加対象として想定されている方々誰もが、マスコミ参入に賛同されているとは限りません。別の県会議員様のブログには、以前に開催された説明会の様子の写真が掲載されており、事業者側担当者と思われる方々の顔が判別可能な状態で映ってしまっていますが、肖像権を侵害しないよう、当該人物にその公開について同意してもらっていますか。していなければ、立派な人権侵害ではありませんか。)。
事業者には、憲法上保障された経済活動を自由に行う権利があり、それを制限できるのは公共の福祉等に反することが明らかな場合に限られます。この現代日本において、事業者側にも尊重されるべき権利があるのです。それを踏まえた上で、その事業の実施が既存の生活環境を著しく害する懸念が高い等、本当に受忍し難いものであると言うなら、そう訴える側の方がその可能性を事業者側に対して明らかにし、まずそのことについて、事業者に対策の検討とその結果の説明をさせるべきです。そのために環境影響評価制度も活用することができます。
たとえどのような場合でも、人にはして良いことと悪いことがあります。わたくしも近所にできる都市計画道路の建設差し止めを求めて裁判に参画する等の運動をしており、突然異質なものが近くにできることへの不安や今後の心身の負担の可能性、説明不足等に対する怒りも理解できますが、だからと言って、人間なのですから、節度を持った行動をしなければならないのではないでしょうか。
ところで、ですけど、この方法書の説明会、とりあえず予定されていたものは終わったみたいですけど、本来の目的であるその事業に係る環境影響評価の計画の仕方についての議論は深まったんでしょうか。マスコミ拒否とか別のことばかりで、肝心のことについての議論があまり進まなかったのだとすれば、本当に残念です。
あれだけ広い山林を風力電源開発のために開発する訳ですから、騒音・振動、シャドーフリッカー、景観等への影響が考えられるほか水源や野生生物生息地への影響、土砂災害の誘因となることへの心配もあると聴きました。それに対して縦覧手続き中の方法書の内容を見ますと、調査項目、調査方法、調査時期や調査地点等が随分少ない印象です。たとえば、相当大型の風力発電機が設置されることにより人に対して発生する威圧感のようなものについては、全く調査、予測及び評価の対象とされていませんし、景観についても、関係各集落における景観への影響に係る調査、予測及び評価の計画がありません。環境影響評価としては地質・地盤に係りボーリング調査の計画が含まれていないようですし、生物調査に係る調査地点や調査経路の設定が少な過ぎます。現在生活用水に利用されている水源の水質や水量への影響に係る調査、予測及び評価も結果を公表することが法的に義務付けられていない環境影響評価法手続き外で実施するとされていますし、その他関係集落の方が特に大切にされているため事業者が配慮したという往生山についても、それならば非火山性孤峰として「重要な地形」として調査、予測及び評価の対象とするべきですが、いまだにそうされていません。それこそ、こんなことでいいんでしょうか。こうした環境影響評価に係る疑問点こそ、抽出して事業者側に今まさに問うべき問題ではないでしょうか。
当該地域の方にしか知られていない希少生物や巨樹の生息、鉱泉、保護すべき断層の露頭等もあるかもしれません。こうしたことをまだ事業者側が把握していなければ、丁寧に教えてあげて、きちんと調査、予測及び評価の対象に加えてもらうべきなのではないでしょうか。
こうした不十分な調査計画に対するよくある事業者側の言い訳が、経済産業省の定めた参考項目に合致しているというものですが、必要であればそれにとらわれる必要はないので、しっかりと環境影響評価の計画をしてもらい、それに基づいて事業者に十全な環境影響評価をやっていただくことが余程大事なのではないでしょうか。事業者の調査が信用できないということであれば、当該事業者と合意して、その調査に地域事情を良く知る関係地域住民も参加するという仕方も考えられるのではないでしょうか(国内では他事業で日本野鳥の会等が調査に参加した事例が少なからずあります。)。もし本当に甚大な環境影響を及ぼすような事業計画であれば、十全に環境影響評価をすれば、そうした可能性が高いことが明らかとなり、事業者はその結果を受けて、自主的に環境影響の少ない計画への変更やそれが不可能であれば計画撤回という選択をするという経過をたどるようにするのが現行の環境影響評価法により定められているルールです。法律という国民の代表によって取り決めたルールだから、まずはまもらねば(もちろん、このルールも改善すべき点は少なくないので、そうしたところはパブコメに応募するとかで地道に国等に改善を求めて行くことが大切だと思います。)。
とにかく、こうした場合、方法書を見て、具体的にこれこれの調査項目が必要だとか、この辺りでの調査地点の設定が足りていないとか逐一指摘して、事業者が必要十分な環境影響評価をするよう促す努力を強くするべきなのではないでしょうか。事業者主体の制度設計である現行の環境影響評価制度(結局欧米先進国の性善説に基づくセルフコントロールの制度をそのまま導入したため、必ずしも日本の国情に適合しないところが少なくないのが本当に困ったところです。)において、関係地域住民に望まれる関わりとは、そうした仕方のように思います。
わたくしは昨日、所用のついでに備後の鞆の浦に立ち寄って来ましたけど、あそこのように、今ある集落の景観をそのまま後代に残したいということであれば、関係集落の方々がみなさん協力して、その景観が誰にでも価値があるものと分かるように高めるような努力も必要になってくるかもしれません。
ちなみに、わたくしが今関わっている反対運動の対象の都市計画道路は、気付いたときには環境影響評価手続きが完了していたんですよ。事業者である都庁に抗議の電話をしたら、いちおう適法に「都報」か何かで公告されたと都の担当者は言っていましたけど、普段「都報」なんて読みませんし、それまでその存在さえわたくしは知りませんでした。そういう訳で、今からでも間に合うこちらでは、是非環境影響評価手続きを本来制度上期待されている形で有効活用していただき、悔いのないようにしていただきたいと願っています(一般市民としては、普段からこうした制度の存在を知り、使い方等理解を深めておくことが、本当に重要だと思います。)。
そういう訳で、同じ地区での大規模太陽光電源開発計画の方は、それこそ環境影響評価が必要のような気もしますけど、いかがでしょうか。貴方の「勉強会」でもそういう話には至らなかったようですが。
東京都民 様へ
コメントありがとうございました。いろいろ参考にさせていただきます。
東京はいわき市と違ってとても暑いと思います。気を付けてお過ごしください。
候補者の野口徹郎さんは、体が大きいのですがとても優しく頼りになる方です。