志位議長は「国会で33年間活動しまして、率直に言って自民党の劣化が進んだ。1歩1歩進んだ。そしてかつて自民党が持っていた活力をいまや失ったという感を強くしております」と述べたうえで「今総理の名前ということ言われたのでお三方について言及をさせていただきたいと思います」と3人の総理大臣の名前を挙げた。
1人目は橋本龍太郎総理大臣。
「1990年代は橋本龍太郎首相との論戦が大変思い出深いものです。橋本さんは当時書記局長として1期生だった私の質問に対してですね、どの質問に対しても官僚に任せず自分で答弁に立って正面から答えて来ました。私は当時若い時代ですから、かなりえいやという質問をしたこともあるんですけれども、どんな質問に対してもちゃんとかみ合わせて答弁をしてくれましてね。ですから立場は違いますけれども爽やかさを感じたものでした。終わった後もですね、橋本さんは私に笑顔で『志位さんにこの前はボコボコにやられちゃった』といって握手を求めてくるというようなこともあったような時代でした。この時代もう1人印象深いのは当時橋本内閣のもとで幹事長を務めていた加藤紘一さんとの、主にテレビの場ですけれども討論会です。民放のテレビで毎週のように加藤さんと私の一騎打ちの討論会やったんです。自共対決と銘打ってやりまして。この時も正面から丁々発止のかみ合った論戦が大変面白かったですね。加藤さんと論戦をして、加藤さんの気持ちの中ではね、私感じたのは、自民党は共産党と論戦をやって打ち破れるぐらいの力を持たなかったら未来が開けてこないぐらいのつもりで、当時私は若かったんですけれども若い私に対しても正面から論戦をしてですね、これもとても爽やかな論戦がやられたと、そういう活力を90年代は感じました」
2人目は小泉純一郎総理大臣。
「2000年代に入りまして小泉首相とのさまざまな論戦、思い出します。率直に言ってだんだんかみ合った議論ができなくなってきた。ワンフレーズできますから、なかなかそのかみ合った議論になかなかならない、ということを感じました。この時代は徹底した弱肉強食の新自由主義、それからイラクへの自衛隊の派兵、こういう事が起こって厳しく批判もし、正面からやりあったことを思い出します。それでも小泉政権の時代に2002年のことですが日朝平壌宣言が結ばれた。これは私は戦後の日本の外交の歴史の中でも金字塔といっていい、すばらしい成果だと今でも思ってるんです。つまり外交の力によって北朝鮮問題を解決しよう、日朝国交回復をやっていこうというもので、とても合理的で、核、ミサイル、拉致、過去の清算を包括的に解決して正常化を図ろうというので、私は日本の戦後の外交の中でも金字塔だと思っております。ですからあれが結ばれたあとに党首会談やりまして、小泉総理から説明を受けたときに、私は『今度の日朝平壌宣言については全面的に支持します、日本共産党は協力を惜しみません』とまで言ったんです。小泉さんびっくりしまして、その後ですね私この宣言を具体化するためにいくつか提案持って行った。それに対しても小泉総理がですね、『ありがとうございます』と言ってこう上に持ち上げてしっかり受け止めてくれました。そういうやり取りもあった。ですから立場は全く違うんですけれども、こだわりなく意見を聞くというところが小泉さんとの間ではありました。そういうこともあって小泉さんが引退したあと、クラシックファンだったものですから、2人で音楽対談などもやって、楽しい対談やったことも思い出深いんです」
3人目は安倍晋三総理大臣。
「2010年代になりますと、やはり安倍首相とのたくさんの論戦が思い出深いです。安倍さんとはあらゆる面で立場が対立しましたから全てがそういう論戦になってくるんですが、安倍さんも私の論をずいぶん研究して攻めてくる。私も攻め返すというそういうかなり真剣なやり取りがやれたと思います。ただ全体としてですね、やっぱり安倍時代になって冷静で論理的な議論がいよいよできなくなってきたということを感じました。特に2015年に集団的自衛権行使容認の安保法制を強行する、これは日本の政治の戦後最大の汚点になったと私たちは強く批判しました。これは憲法9条の下では集団的自衛権行使できないという長年にわたる憲法解釈を一夜にしてひっくり返した。つまり憲法という国の土台でモラルハザードを起こした。そのことが私はあらゆる面での政治モラルハザードにつながったと考えております。森友加計疑惑、桜を見る会、さまざまなスキャンダルが起こったけれどもそうした政治のモラルハザードを引き起こした。そして今日につながっている、このように思います」
最後に、今度の衆議院選挙が2月8日投開票となると解散から投票日まで史上最短の16日間になるなど、3回連続で超短期の解散総選挙になることを挙げ、「つまりね、国の進路をめぐって正々堂々と議論を尽くして国民の前に争点を明らかにして審判を仰ぐのが当たり前じゃないですか。そういう事がね、そういう正々堂々の論戦が耐えられないところまで自民党の劣化が進んだというのが今の状況じゃないでしょうか。その象徴だと思います。そういう行き詰まりが何で起こっているか、やはり戦後長らく自民党がとってきた内政といえば財界中心、外交といえばアメリカ言いなり、この政治システムがいよいよ立ち行かなくなるところまで矛盾が深刻化しているところが根っこにあると思うんです。ですからこの根本から日本の政治を変える時がやって来たと、そういうつもりで今度の総選挙に立ち向かってその道を開いていきたいと考えているところです。ちょっと長くなりました」と述べた。

